拝物
はいぶつ
名詞
標準
文例 · 用例
まさに彼等にとれば、ロムバルジア巫女の出現以来、永生不滅の崇拝物なんだよ」 熊城は呆気にとられたが、法水は思い返したように訊ねた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
「いいえ、心理的に崇拝物どころの話ですか。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
いわゆる黄金崇拝物質的の米国などと綽名されてあるこの国民が奢侈贅沢の弊害に陥る傾向が割合いに少ない。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
それでなくてもアカデミックな科学財の通弊として、知識は恰も物神崇拝性を持つ金貨のように、拝物化され勝ちであるのに、それが文芸の場合であれば愈々耐え難いものとなるだろう。
— 戸坂潤 『現代哲学講話』 青空文庫
かつまた唯物論者は、最初より物質は実在せる真体なりと仮定し、その点につきてはさらに証明をも与えず、自証自明の真理のごとくにあがめ奉りておるのは、一種の拝物教と名づけてよろしい。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫
唯物論者は今日の高等の宗教を排斥しながら、己は上古未開時代の拝物教の同類であるとは、さてもさても驚き入りたる次第ではありませぬか。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫
そしてこの新しい生活についての彼等の考えはごく漠然としたもので、したがって遠慮深くそして範囲が狭くて、その夢においてすらも、彼等がその奴隷の過去に崇め祭っていた礼拝物に触れることをあえてしなかった。
— ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 『革命の研究』 青空文庫
芸術上の拝物教を嘲笑した。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫