心躍り
こころおどり
名詞
標準
文例 · 用例
賤しきものゝ女を若殿の物好にも困る位に考へて居た老女も、今日萬人の中にあつて愈光あるさまの手古奈を見て悦びの心躍りが包みきれぬのであつた。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
湿った地をぴたぴたと踏みながら我等二人は、いま漸く旅の第一歩を踏み出す心躍りを感じたのである。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
焼岳浅間山では余りに遠くて、ただ思いがけなく望み見た心躍りが先立ったものとも云い得る。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
侮られ少し心の躍りきぬ嬉し薬に似ぬものながら 若さが退くと共に心の平静が得られるやうになつたが、同時に心躍りもしなくなつてそれは我ながら寂しいことであつた。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
この思いがけない申出に、行き所に悩んでいた英三夫妻は内心躍りあがらんばかりに喜んだがともかくその場は明答を保留することとした。
— 海野十三 『雷』 青空文庫
」 あれかこれかと私は逸速くさうした事をしさうな友人を二三心に浮べながら、もう眼の前にそれらの一人の笑ひ崩るる顏を見る樣な心躍りを感じて問ひ詰めた。
— 若山牧水 『熊野奈智山』 青空文庫
濕つた地をぴたぴたと踏みながら我等二人は、いま漸く旅の第一歩を踏み出す心躍りを感じたのである。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
だが謂はゞ、――平野の里に感じた喜びは、過去生に向けてのものであり、今此山を仰ぎ見ての驚きは未來世を思ふ心躍りだ、とも謂へよう。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫