洟垂らし
はなたらし
名詞
標準
文例 · 用例
さうして居る内に他の婆さん等は「みんな、おとなしく仕なくつちや、呉んねえぞ」「さうだに洟垂らしてるものげはやんねえことにすべえ」口々に揶揄つた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
――あの頃はまだおまえも、十二、三の洟垂らしだったが、もう、おれに次ぐ、いい若人。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
内職もやる、百姓仕事もする、それでもなお喰えないとみえ、非番の日は、腫物だらけな子どもを負い、洟垂らしの手をひいて、諸家の弓直しや具足の手入れなどさせて貰って糊をしていた。
— 第五分冊 『新書太閤記』 青空文庫
百姓も云う、町人も喚く、女や洟垂らしの子供までが、面罵を浴びせかけて、云わして置けば限りがない。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
この母は、百姓の肚から百石扶持の侍を生んだことも、さして誇りとはしていないらしく、幾歳になっても、洟垂らし時代のまま、四郎べ、四郎べで通している。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
日吉も、於福も、仁王も、ほかの洟っ垂らしも、眼をかがやかして、そこらの野薔薇や菫や雑草の花をむしり取って、両手につかみ、眼の前を勇しい武将や兵が通るたびに、「八幡。
— 第一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
この長庵から見ますれば、旦那などは鼻っ垂らし、と云って憤っちゃ不可ませんぜ、鼻っ垂らしのデクの棒、お話しにも何にもなりゃアしねえ。
— 国枝史郎 『村井長庵記名の傘』 青空文庫