宛然
えんぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
as if
文例 · 用例
一、問題が紛糾するのは何時も、宛然芸術の格構せる非芸術といふものが存在するからである。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
宛然凉しい水銀の鏡に映る剃刀の閃めきである。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
で干潮の時は見るも哀で、宛然洪水のあとの如く、何時棄てた世帯道具やら、欠擂鉢が黒く沈んで、蓬のような水草は波の随意靡いて居る。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
世界に無類の高層建築を誇るニューヨーク市では、エンパイヤビルディング、クライスラービルディング、ウォーズウォースなど五十階以上のビルディングをはじめとして無数の高層建築は比較的狭き道路の両側に建ち並び、道路は宛然、谷底のごとく、太陽の直射は一日ほんの僅かな瞬間だけ恵まれるのみであります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
」 と唐突に茂の中から、宛然應答を期して居たものの如く、何か鳴いた。
— 泉鏡太郎 『月夜』 青空文庫
…… 蟋蟀でさへ、其の蟲は、宛然夕顏の種が一つこぼれたくらゐ小くつて、なか/\見着かりませんし、……何うして掴まりつこはないさうです……貴女がなさいますやうに、雪洞を點けて探しました處で、第一、形だつて目に留るんぢや、ありますまい。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
で干潮の時は見るも哀で、宛然洪水のあとの如く、何時棄てた世帶道具やら、缺擂鉢が黒く沈むで、蓬のやうな水草は波の隨意靡いて居る。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
……其處で、昨日穿いた泥だらけの高足駄を高々と穿いて、此の透通るやうな秋日和には宛然つままれたやうな形で、カラン/\と戸外へ出た。
— 泉鏡太郎 『番茶話』 青空文庫
作例 · 標準
宛然とそこにいるかのようなリアルな幻を見た。
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夢の中の出来事が、宛然と現実のように感じられた。
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彼の話を聞いていると、まるでその場に宛然といるかのような臨場感があった。
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