あえか
あえか
形容動詞
標準
delicate
文例 · 用例
その頃です、僕が囲炉裏の前で、 あえかな夢をみますのは。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
冬はかくて痩せ細り夏に雨を得て肉附くことを繰返しながら、瞳は一途にあえかなるものに向って求めているのだと土民はいった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
水うら濁る島の苔、 萱屋に玻璃のあえかなる。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
まがつびここに塚ありと、 おどろき離るゝこの森や、風はみそらに遠くして、 山なみ雪にたゞあえかなる。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
岩頸列西は箱ヶと毒ヶ森、 椀コ、南昌、東根の、古き岩頸の一列に、 氷霧あえかのまひるかな。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
ありていにいえば、この「起ち上ろうとする」もしくは「起ち上りつつある」――更に「起ち上った」大阪の表情のあえかな明るさに、よしんばそれがそこはかとなき表情であるにせよ私は私なりに興奮したのである。
— ――戦災余話 『起ち上る大阪』 青空文庫
いっそ蛍を飛ばすなら、祇園、先斗町の帰り、木屋町を流れる高瀬川の上を飛ぶ蛍火や、高台寺の樹の間を縫うて、流れ星のように、いや人魂のようにふっと光って、ふっと消え、スイスイと飛んで行く蛍火のあえかな青さを書いた方が、一匹五円の闇蛍より気が利いていよう。
— 織田作之助 『大阪の憂鬱』 青空文庫
先斗町の雰囲気は鶴雄にとっては堪え切れぬものだったが、しかしわずかに鈴子がいることで、鶴雄のあえかな郷愁をそそった。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
作例 · 標準
彼はあえか笑いを浮かべた。
あえかな表情で彼女は頷いた。
あえか色の着物が展示されている。
あえかな雰囲気の日本庭園だ。