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颯然

さつぜん
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
颯然と二の腕を捲ると、生白い肌が現出れて酒氣を帶びた頬が薄赤い。
萩原朔太郎 二十三夜 青空文庫
併し鵲の橋の上に立つてゐると瀧が近いので、瀧飛沫は冷やかに領に下ちて衣袂皆しめり、山風颯然として至つて、瀧のとゞろき、流の沸りと共に、人をして夏のいづこにあるかを忘れしむるところ、捨て難いものがある。
幸田露伴 華嚴瀧 青空文庫
川上は高原、鷄頂の諸山が聳えて、海拔はさほどに高いところでは無いが山懷の窄いところを鬼怒川が怒流してゐるので氣流の加減によつてか、他處では雨が無かつたのに、聞けば毎日雨があつたといふことで、この日も驟雨的の雨が颯然と降り澆いだ。
幸田露伴 華嚴瀧 青空文庫
反逆児といえば反逆児、風雲児といえば風雲児と言うに憚らないその竜造寺長門守が、どうやら背後に糸を引いているらしいとあっては、主水之介、颯然として色めき立ったのは当然なことです。
江戸に帰った退屈男 旗本退屈男 第九話 青空文庫
四 竜雄が、市平に宛てた手紙を書いてから一週間目、市平は颯然として帰ってきた。
佐左木俊郎 土竜 青空文庫
全くもつて抹香臭くないお経で、僕は蜻蛉や蝉を追ひかけながらも、ゑんえんと読みつづけて次第に颯然たる元気をとり戻してゐた。
牧野信一 ユリイカ・独言 青空文庫
長く伸びてゐる青草に、風が颯然と渡つて靡き伏すと、ゆらゆら搖いで此黒い巨像は波たつ。
吉江喬松 山岳美觀 青空文庫
白雲や青葉若葉の三十里 山を下れば驟雨颯然とふりしきりて一重の菅笠に凌ぎかね終に馬籠駅の一旅亭にかけこむ。
正岡子規 かけはしの記 青空文庫