貧寒
ひんかん
名詞形容動詞副詞-と形容詞-たる
標準
destitution
文例 · 用例
どうせ目下が精神の貧寒時代であることは分つてゐますし、詩人が存外の苦吟をするのであることも分つてゐるのですから、もつとあけすけにして、もつと具体的なことを論ずることが、詩壇の急務ではありますまいか。
— 中原中也 『近時詩壇寸感』 青空文庫
単衣を固執していると、いかにも貧寒の感じがする。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
富贍な食品にぶつかったときはひと種で満足するが、貧寒な品にぶつかったときは形式美を欲した。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
貧寒な拓本職人の家で、女餓鬼の官女のような母を相手にみじめな暮しをするより、若い女のいる派手で賑かな会席を渡り歩るいてる方がその日その日を面白く糊塗できて気持よかった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
それで健康を害し、或いは経済の破綻などもしばしばあって、家庭はいつも貧寒の趣きを呈しております。
— 太宰治 『わが半生を語る』 青空文庫
五箇年間に千五百部といえば、一箇月間に十万部も売れる評判小説にくらべて、いかにも見すぼらしく貧寒の感じがするけれど、一日に一冊ずつ売れたというと、まんざらでもない。
— 太宰治 『「晩年」と「女生徒」』 青空文庫
貴下は御自分の貧寒の事や、吝嗇の事や、さもしい夫婦|喧嘩、下品な御病気、それから容貌のずいぶん醜い事や、身なりの汚い事、蛸の脚なんかを齧って焼酎を飲んで、あばれて、地べたに寝る事、借金だらけ、その他たくさん不名誉な、きたならしい事ばかり、少しも飾らずに告白なさいます。
— 太宰治 『恥』 青空文庫
」 父は酒と煙草とおいしい副食物のために、いつもお金に窮して、それこそ、あちこち、あちこちの出版社から、ひどい借金をしてしまって、いきおい家庭は貧寒、母の財布には、せいぜい百円紙幣三、四枚、というのが、全くいつわりの無い実状なのである。
— 太宰治 『家庭の幸福』 青空文庫
作例 · 標準
戦争によって、多くの家族が貧寒に陥った。
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彼は貧寒の中でも、決して希望を捨てなかった。
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貧寒たる生活から抜け出すため、人々は必死に働いた。
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