鹿島立ち
かしまだち
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
to set upon a journey
文例 · 用例
外国へ行くのは、おっくうだが、こらえて三年おれば、大学の教授になり、母をよろこばすことが出来るのだと、周囲には祝福せられ、鹿島立ちとか言うものをなさるのが、君たち洋行者の大半ではなかろうか。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
鹿島立ちから參宮までは、戲談一つ言はずに、精進潔齋して行くが、下向の第一夜を古市の姫買ひに明かすのが、參宮よりもズツと大事な彼等の唯一の希望で、それからは次々の宿場に、飯盛りと戲れぬ夜とてもない。
— 上司小劍 『石川五右衞門の生立』 青空文庫
いよ/\鹿島立ちも十日の後に迫つた或る夕、文吾は昨夜見た伊勢參りの夢を想ひ出して、獨りぶら/\と杉の葉を吊した※賣屋の前を歩いてゐると、向うの方の路傍に立ち話してゐた五六人の若い衆が、手に/\文吾を招いた。
— 上司小劍 『石川五右衞門の生立』 青空文庫
源右衞門は鹿島立ちの酒に醉ひ仆れて、榾の火にあか/\と顏を照らされながら眠つてゐた。
— 上司小劍 『石川五右衞門の生立』 青空文庫
お絹は、身だしなみをする、取片附けをする、それが直ちに出立の身ごしらえ、荷ごしらえにもなるので、お嫁入でもするような若々しい気分に浮かされて、障子にはゆる小春日和、庭にかおる木犀の花の香までが、この思いがけない鹿島立ちを、やいのやいのとことほぐかのようににおいます。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
それが、一同|対の鼠いろの木綿袷に浅黄の袴、足半という古式の脚絆をはいているところ、今や出師の鹿島立ちとも見るべき仰々しさ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
こんなめでたい鹿島立ちの席に、みんなが無邪気に興が乗ればのるほど悲しくなって、どうしても意地が張りきれないのは、自分ながらどうしたものだ。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
もうこうなっては、逆にこちらからぶっつかって行く外に手段はないよ」 その翌日、忘れもせぬ大正十四年七月二十九日、私達は旅支度も軽やかに、南海の一孤島を目ざして、いとも不思議な鹿島立ちをやったのである。
— 江戸川乱歩 『孤島の鬼』 青空文庫
作例 · 標準
決意を胸に、住み慣れた故郷を離れて鹿島立ちする時が来た。
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旅の安全を祈願して、鹿島神宮に参拝してから鹿島立ちするのが古くからの習わしだ。
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「いよいよ明日が鹿島立ちだね。体に気をつけて、元気にいってらっしゃい!」
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心機一転、新しい土地での生活に向けて、清々しい気持ちで鹿島立ちした。
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