渋仕
しぶし
名詞
標準
文例 · 用例
若し総掛りに軍し給はゞ味方難渋仕り候はんか、今|暫時敵の様を御覧ありて然るべきかと申しけるに、長政|宣ふ様、横山の城の軍急なれば、其儘に見合せがたし。
— 菊池寛 『姉川合戦』 青空文庫
渋仕立の江戸っ子の皮肉屋と、伊達小袖で寛濶の侠気を売物の浪六と、舞姫のように物優しい眉山との三巴は、みんな彼女を握ろうとして、仕事を巧みすぎて失敗した。
— 長谷川時雨 『樋口一葉』 青空文庫
つまみよせたような眼の、キンカン頭の藤木さんは、俳諧でもやりそうな渋仕立の道行き姿になって、宗匠|頭巾のような帽子を頭にのせている。
— 長谷川時雨 『お墓のすげかえ』 青空文庫
国に難帰甚難渋仕候間、此度船の事にかゝはらず長崎におゐて返済し期限相立御かし下し可被遣云々。
— イロハ丸航海日記 『坂本龍馬手記』 青空文庫
わたくしは澄見の顔さへ見れば、虫唾の走るほど厭になり候へども、秀林院様はさのみお嫌ひも遊ばされず、時には彼是小半日もお話相手になさること有之、その度にわたくしども奥女中はいづれも難渋仕り候。
— 芥川龍之介 『糸女覚え書』 青空文庫