幻辞.com

砿脈

砿脈
名詞
1
標準
文例 · 用例
お豊には読んでも分らなかったが、勘三郎の説明によると、それは祖父に当る金次郎という人が三十余年かかって調べあげた覚書で、その郡の山地の地質表のようなものであり、かんば沢の奥に水晶砿脈がなければならぬということが仔細に書きしるしてあるという、それにはまた十数通も県の技師の鑑定書が綴りこんであった。
山本周五郎 藪落し 青空文庫
勘三郎は、妻の乱れた顔をみながら、 ――おまえには苦労をさせるが、これもいつまで続くわけではない、おれにはもうだいたい砿脈の見当がついてきたのだ。
山本周五郎 藪落し 青空文庫
彼はまた山入りを始めたのだ、二人分の弁当を拵えて、裕吉を伴れて、けれど山へ登ってからの彼は、べつに砿脈を捜すようすもなく、子供の手をひいてあちらこちらと山の中を彷徨うばかりであった。
山本周五郎 藪落し 青空文庫