双頬
そうきょう
名詞
標準
both cheeks
文例 · 用例
すじ向いに座を構えたまうを帽の庇よりうかゞい奉れば、花の御かんばせすこし痩せたまいて時々小声に何をか物語りたまう双頬に薄紅さして面はゆげなり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
要するに顔面における「いき」の表現は、片目を塞いだり、口部を突出させたり、「双頬でジャズを演奏する」などの西洋流の野暮さと絶縁することを予件としている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
これ母親の死を悲み別離に泣きし涙の今なお双頬に懸れるを光陰の手も拭い去るあたわざるなりけり。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
張り詰めていた気が砕けて、涙はとめどもなく、双頬を湿おした。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
が、山野のトリックに掛って、うまうまと「夜の脅威」を、得意になって差し出した俺の弱さ加減を考えると、俺は自分の身をいとおしむ涙が双頬を湿おすのを感じた。
— 菊池寛 『無名作家の日記』 青空文庫
抜けッ、抜けッ、抜いて参れッ」 裂帛の美声を放って、さッと玉散る刄を抜いて放つと、双頬にほのぼのとした紅色を見せながら、颯爽として四人の者の方ににじりよりました。
— 旗本退屈男 『旗本退屈男 第一話』 青空文庫
――双頬、この時愈々ほのぼのと美しく紅を散らして、匂やかな風情の四肢五体、凛然として今や香気を放ち、紫紺絖小姓袴に大振袖の香るあたり、厳寒真冬の霜の朝に咲き匂う白梅のりりしさも、遠くこれには及ばない程のすばらしさでした。
— 江戸に帰った退屈男 『旗本退屈男 第九話』 青空文庫
御身様は、物心ついた七歳の時から四十七歳の今日まで、人間の定命を敵討ばかりに過した者の悲しみを御存じないのじゃ」 そういったかと思うと、三十年間の櫛風沐雨で、銅のように焼け爛れた幸太郎の双頬を、大粒の涙が、ほろりほろりと流れた。
— 菊池寛 『仇討三態』 青空文庫
作例 · 標準
寒さで彼の双頬は赤く染まっていた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
彼女は恥ずかしさで双頬を両手で覆った。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
子供が笑うと、双頬に可愛らしいえくぼができた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash