藩船
はんせん
名詞
標準
文例 · 用例
たまたま三吉の家で礼拝して居た男女が七十余人あったが、角蔵、三吉両家の者を始め、主謀者と認された者等|総て十六人が、藩船に乗せられて折柄暮れようとする海へ去るのを見送って、「自分等も早晩刑を受ける事であろう。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
大阪の見物はそこそこに済まして、いよいよ藩船の便で海路は別段の事もなく松山へ帰着した。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
白並は小川原という汐入沼のそばにある、三十戸ばかりの漁村で、沼尻で七戸藩の藩船の冬の船溜になっている。
— 久生十蘭 『奥の海』 青空文庫
御船手御小人は、藩船を預り、湊入湊出のたびに船改めをする。
— 久生十蘭 『奥の海』 青空文庫
沖見役の番士が二人、常住に詰めているほか、小間木の代官所から月の五ノ日に物書が通ってくるが、天保七年の米留から江戸への廻漕がとまり、七戸丸という、五百石積の藩船が、沼尻から動かないので、さしあたっての用はない。
— 久生十蘭 『奥の海』 青空文庫
「こんどの隠し鯨は、御船手付の船頭と舟子が、藩船を使ってやったという、性の悪い事件で、お船方は総体打首。
— 久生十蘭 『奥の海』 青空文庫
部将らしいのが、「ないはずはないっ」 頑固に云って、「藩船のお旗箱を、仕舞い忘れるやつがあるかっ。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫
じゃが、その藩船から、当隊に預けたというではないかっ。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫