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踏み抜き

ふみぬき
名詞
1
標準
文例 · 用例
それは少年が飛び下りた窓の下が鶏小屋のトタン屋根で、彼はそれを踏み抜き、ギャア、ギャアといふ鶏の狼狽する声と、争議の籠城組との騒ぎの叫びとで、深夜のこの工場地域に住む人々をみんな起き出させてしまつたことを知つた。
小説 小熊秀雄全集−15− 青空文庫
だから、姉妹の誰か一人が金網をはずして硝子を踏み抜きさえすれば、犯人が迂回して窓の下に着く頃には、充分戸外へ飛び出してしまうことが出来る。
小栗虫太郎 聖アレキセイ寺院の惨劇 青空文庫
唯ここに不思議なことは、金蔵は右の足に踏み抜きをして、それがだんだんに膿んで来て、ひと足も外へ出られないと云うのです。
廻り燈籠 半七捕物帳 青空文庫
ほかの者とは分かれわかれになって、京都無宿の藤吉に介抱されながら、ひとまず王子の門蔵の家へころげ込むと、その晩から踏み抜きの傷がひどく痛み出した。
廻り燈籠 半七捕物帳 青空文庫
痛々し気な踏み抜きだつた。
牧野信一 ベツコウ蜂 青空文庫
――人が住んでいようといまいと、いつもこんな具合に草が茫々と生えて、ヴェランダなど板が割れて、いまにも踏み抜きそうな位に、廃園らしい感じだが、そんな中から人々の笑い声がし、赤ん坊がハンモックに寝かされ、犬が走り、マアガレットが咲きみだれ、洗濯物が青いのや赤いのや白いのや綺麗にぶらさがっている。
堀辰雄 晩夏 青空文庫
「どうしたんだ」「踏み抜きをしてしまッた。
吉川英治 江戸三国志 青空文庫
堂は形だけ残っておりますけれども、勿体ないほど大破いたして、密と参っても床なぞずぶずぶと踏抜きますわ。
泉鏡花 春昼 青空文庫