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溺器

溺器
名詞
1
標準
文例 · 用例
「類聚名物考」には溺器の樣記しあれど、陶製の物有たと聞ぬ。
南方熊楠 蓮の花開く音を聽く事 青空文庫
ちょうど冬のことだったので、宿屋の主人は夜長の心遣いから、溺器を室の片隅に持運んで来た。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
洗い清められた溺器の肌には、古い陶物の厚ぼったい不器用な味がよく出ていた。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
「お気に召しましたらお持ち帰りを願いますが、旅籠屋が溺器をお譲りして代物をいただきましたとあっては……」 主人は小泉一万石の城主ともあるものが、ものもあろうに旅籠屋の溺器を買い取ろうとするなぞ、風流にしてはあまりに戯談に過ぎ、戯談にしてはあまりに風流に過ぎるとでも思っているらしかった。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
彼は手に持った溺器を強くそれに叩きつけた。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
今は埋れて溺器に用いられているが、もしか眼の利く商人に見つかって掘り出されでもしようものなら、どんなところへ名器として納まらぬものでもない代物じゃ。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫