窶
窶
名詞
標準
文例 · 用例
我が知れる悲しき職業の女等、ひそかに我が孤窶を憫む如く、時に來りて部屋を掃除し、漸く衣類を整頓せり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
とかく物うち語りて、ちとこなたの、窶舍にも下りさせ給へ。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
烏が二羽、船ばたにとまって、そうして一羽は窶れて翼の色艶も悪いと来ているんだから、その引立たぬ事おびただしい。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
恋に窶れて、少し荒んだ陰影を、おのが姿に与えたかった。
— 太宰治 『デカダン抗議』 青空文庫
突然レムブルグが悲鳴をあげて廊下に飛出す、米良はバルコニに駈け上ると暈れた空気に蒼白めた闘争に窶れた同志の死体が沈むのを見た。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
瓜核顔の、鼻の準縄な、目の柔和い、心ばかり面窶がして、黒髪の多いのも、世帯を知ったようで奥床しい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
例の通りで、庭へ入ると、母様は風邪が長引いたので、もう大概は快いが、まだちっと寒気がする肩つきで、寝着の上に、縞の羽織を羽織って、珍らしい櫛巻で、面窶れがした上に、色が抜けるほど白くなって、品の可いのが媚かしい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
三十路を越えても、窶れても、今も其美しさ。
— 泉鏡花 『雪靈記事』 青空文庫