忍び泣き
しのびなき
名詞
標準
quiet weeping
文例 · 用例
箸の上げおろしにも笑いさいなまれ、枕につくたびごとに、家恋しさと口惜しさのために忍び泣きで通した半年ほど。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
隣の部屋でおぬいさんが忍び泣きをしている……それを園ははっきり感じた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
夫人 (忍び泣きに泣く)貴方、私も目が見えなくなりました。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
やい、もしその辺に居らば一つ鳴いて見ろ、これ女狐……おかん、藪の中にて袂を食いしばり忍び泣きを我慢しつつ――は、はい……こん……こん。
— 岡本かの子 『狐』 青空文庫
意気な年増の手ずさみか、取り残された避暑客の後の一人の爪弾か、離縁られた人か、死ぬ人か、思ひなしかは知らねども、昨日あがつた心中の男女の忍び泣き、……あれ三味が鳴る、昼日なか、知らぬ都のふしまはし。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
雨は林檎の香のごとくしみじみとふる、さくさくと、扉を透かしてふる雨はVerlaine の涙雨、赤いコツプに線を引く、ひとり顫へてふりかくる辛い胡椒に線を引く、されば声出す針の尖、蓄音器屋にチカチカと廻るかなしさ、ふる雨に酒屋の左和利、三勝もそつと立ちぎく忍び泣き。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
雨は真珠か、夜明の霧か、それともわたしの忍び泣き。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫
羽狹の山のやまばとのように、こっそりと忍び泣きに泣くがよい」という意味の歌をお歌いになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
作例 · 標準
彼は部屋の隅で、誰にも聞かれないように忍び泣きをしていた。
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映画の感動的なシーンで、観客席のあちこちから忍び泣きが聞こえてきた。
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彼女は悔しさを堪えるように、布団の中で忍び泣きを続けた。
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