磯巾着
いそぎんちゃく異読 イソギンチャク
名詞
標準
sea anemone
文例 · 用例
が、遠くに離れてゐた私達の眼に、先生の紫ずんだ唇が磯巾着のやうに開閉し、それにつれて左右に撥ねた一文字髭が鳶の羽根のやうに上下するのが見えたかと思ふと、先生はもう降壇されてしまつた。
— 南部修太郎 『猫又先生』 青空文庫
彼の眼は、無料宿泊所の新らしい木札に、磯巾着のように吸いつけられたのだ!
— 里村欣三 『放浪の宿』 青空文庫
破船の板や丸太や縄切れや、ブリキが岩の間に落ち散り、磯巾着が取りついているのでござります。
— 国枝史郎 『レモンの花の咲く丘へ』 青空文庫
「肩が凝ってやりきれない……頭に口があるのは、磯巾着くらいのものだが、こんな恰好で飯を食うなんてのは、人間業じゃないな」 賢夫人は、箸の先に飯粒をためたまま、「なにが、どう人間業でないんです?
— 久生十蘭 『我が家の楽園』 青空文庫
あいつは、いそぎんちゃくだよ。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
桜の根は貪婪な蛸のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚めて、その液体を吸っている。
— 梶井基次郎 『桜の樹の下には』 青空文庫
いそぎんちゃくも、手をひろげている。
— 海野十三 『三十年後の東京』 青空文庫
にな貝のからをいそぎんちゃくに差しこむと、あわててしぼんで、まるで巻きたばこをくわえたようになるのがことに面白かった。
— 永井隆 『この子を残して』 青空文庫
作例 · 標準
潮だまりを覗き込むと、岩の隙間に張り付いた磯巾着が、ゆらゆらと触手をなびかせていた。
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クマノミは磯巾着の触手の中に隠れることで、外敵からの攻撃を巧みに回避している。
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磯巾着は、外敵からの刺激を受けると一瞬で触手を内側に巻き込み、その名の通り巾着袋のような形に凝縮する。
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触手にある刺胞から毒を出す磯巾着は、不用意に素手で触れると皮膚が炎症を起こすことがある。
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