一陣の風
いちじんのかぜ
名詞
標準
gust of wind
文例 · 用例
「嘘ですよ」一陣の風がスケッチブックをぱらぱらめくって、裸婦や花のデッサンをちらちら見せた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
又五分位すると不意に思出したやうに一陣の風がどうつと吹きつけてしばらくは家鳴り震動する、又ぴつたりと止む。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
また五分くらいすると不意に思い出したように一陣の風がどうっと吹きつけてしばらくは家鳴り震動する、またぴたりと止む、するとまた雨の音と川瀬のせせらぎとが新たな感覚をもって枕に迫って来る。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
一陣の風小高い丘を襲えば、幾千万の木の葉高く大空に舞うて、小鳥の群かのごとく遠く飛び去る。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
この哀れなる姿をめぐりて漂う調べの身にしみし時、霧雨のなごり冷ややかに顔をかすめし時、一陣の風木立ちを過ぎて夕闇|嘯きし時、この切那われはこの姉妹の行く末のいかに浅ましきやを鮮やかに見たる心地せり。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
」一陣の風がスケツチブツクをぱらぱらめくつて、裸婦や花のデツサンをちらちら見せた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
一陣の風が吹いて、漁船のあたりからおびただしく春の枯葉舞い立つ。
— ―――一幕三場 『春の枯葉』 青空文庫
一陣の風はさっと起って籠洋燈の火を瞬きさせた。
— 幸田露伴 『太郎坊』 青空文庫
作例 · 標準
蒸し暑い午後の校庭に、一陣の風が吹き抜け、生徒たちの前髪を心地よく揺らした。
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スタートの合図とともに、彼は一陣の風のごとくトラックを駆け抜けていった。
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平穏な海面に一陣の風が走り、一瞬にして小さなさざ波が幾重にも広がった。
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一陣の風が桜の枝を揺らすと、数えきれないほどの花びらが雪のように鮮やかに舞い散った。
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