屋敷町
やしきまち
名詞
標準
residential area
文例 · 用例
市中の目ぼしい建物に片ッぱしから投げ込んであるくために必要な爆弾の数量や人手を考えてみたら、少なくも山の手の貧しい屋敷町の人々の軒並に破裂しでもするような過度の恐慌を惹き起さなくてもすむ事である。
— 寺田寅彦 『流言蜚語』 青空文庫
そして樹木の多い郊外の屋敷町を、幾度かぐるぐる廻ったあとで、ふと或る賑やかな往来へ出た。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
T 翌る朝S=通り――屋敷町 登城の途の若侍五名、 フト立ち止る。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
東京の高輪の方に位したその屋敷町の往還は常から人通りが少なかったが、風がだんだん吹き募りながら夜に入ってからは人っ子一人通らなかった。
— 梶井基次郎 『不幸』 青空文庫
十日ほど前に家の半町ほど先に起つた女中殺しのためだが、住み馴れて既に二十六年、東京市内にもこんな閑靜な好ましい屋敷町はさうあるまいと思つてゐたほどの町内も、あの騷ぎですつかり臺無しにされた感じ。
— 南部修太郎 『日曜日から日曜日まで』 青空文庫
……橋詰から打向ふ眞直な前途は、土塀の續いた場末の屋敷町で、門の軒もまばらだけれども、其でも兩側は家續き…… で、町は便なく、すうと月夜に空へ浮く。
— 泉鏡太郎 『月夜』 青空文庫
片側の屋敷町で、川と一筋、どこまでも、古い土塀が続いて、土塀の切目は畠だったり、水田だったり。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
三月 淺蜊やア淺蜊の剥身――高臺の屋敷町に春寒き午後、園生に一人庭下駄を爪立つまで、手を空ざまなる美き女あり。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
作例 · 標準
門構えの立派な家が並ぶ屋敷町は、歩いているだけで背筋が伸びる思いだ。
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かつて武家屋敷が並んでいたこの一帯は、今も閑静な屋敷町として知られる。
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再開発により、伝統的な屋敷町の景観が失われつつあるのを惜しむ声が多い。
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