窺
窺
名詞
標準
文例 · 用例
そうして作者の心理状態が寂しい内にも漸く落ちついた処に僅かな余裕も窺れる。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
「そのいきざしは、夏の池に、くれなゐのはちす、始めて開けたるにやと見ゆ」という場合の「意気ざし」は、「息ざしもせず窺へば」の「息差」から来たものに相違ない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
隙を窺つて紳士は二足、三足、たぢろぐよと見る間に身を返して一目散、人垣の間を別けて行衞も知れず。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
私は上着のポケットの中で、ソーッとシーナイフを握って、傍に突っ立ってるならず者の様子を窺った。
— 葉山嘉樹 『淫賣婦』 青空文庫
五節、六節には彼の地文学の知識が窺われる、「彼れ(神)山を移し給うに山知らず、彼れ震怒をもてこれを覆し給う」は火山の爆声を形容せし語、「彼れ地を震いてその所を離れしめ給えばその柱ゆるぐ」は大地震を描きし語である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
未来のある時に彼の上にある変動来り、神と彼と相呼ぶに至り、神彼の業を顧み歩みを数えて彼を愛護し、神彼の罪を窺わず、愆と罪を抑えて外に出でざらしむというのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
まことにヨブ記においてこの美わしき文字に接して、天を窺わんとする心を起すは当然である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
ヨブは植物に乏しき砂漠の住人として、神の力を植物において充分に窺うことは出来なかったのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫