御歳暮
おせいぼ
名詞
標準
文例 · 用例
昨年の十二月のクリスマスの前日、わたくしは安宅先生のヴヰラへ御歳暮を持って行き、先生の留守に出会い、遥かに雑木林の中に先生が射たれる猟銃の音を聞きました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
安宅先生のところへ御歳暮を届けに行き、ヴヰラにいない安宅先生を探しに先生の猟銃らしい音の聞える学園の川上の丘の櫟林に入りました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
今朝御父さんから聞いたら、叔父さんが御歳暮に指環を買ってやると云っていたから、停留所で待ち伏せをして、逃さないようにいっしょに行って買って貰えと云われたから先刻からここで待っていたんだって、人の知りもしないのに、一人で勝手な請求を持ち出してなかなか動かない。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
おれが御歳暮に寒鴉の五、六羽も絞めて来てやるから、黒焼きにして持薬にのめとそう云ってやれ。
— 勘平の死 『半七捕物帳』 青空文庫
ここで主殺しの科人を引っくくっていけば、八丁堀の旦那方にも好い御歳暮が出来るというもんだ。
— 勘平の死 『半七捕物帳』 青空文庫
あんまりいい御歳暮でも無さそうだが、鮭の頭でも拾う気でやってくれ」「かしこまりました」 半七は受け合って八丁堀を出たが、どこから手をつけていいかちょっと見当が決まらなかった。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
小父さんが御歳暮に紙鳶を買ってやろうじゃねえか。
— 三河万歳 『半七捕物帳』 青空文庫
細君が御歳暮の代りに摂津大掾を聞かしてくれろと云うから、連れて行ってやらん事もないが今日の語り物は何だと聞いたら、細君が新聞を参考して鰻谷だと云うのさ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫