踏分
ふみわけ
名詞
標準
文例 · 用例
山清水がしとしとと湧く径が薬研の底のようで、両側の篠笹を跨いで通るなど、ものの小半道踏分けて参りますと、其処までが一峰で。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
) と畦を踏分けて跡をつけては、先へ立って、畠を切れて、夜は虫が鳴く土手を上ったが、ここらはまだ褄を取るほどの雫じゃなかった。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
」 それも物珍しいから、むやむやの胸の中にも、傍見がてら、二ツ三ツ四ツ五足に一ツくらいを数えながら、靴も沈むばかり積った路を、一足々々踏分けて、欽之助が田町の方へ向って来ると、鉄漿溝が折曲って、切れようという処に、一ツだけ、その溝の色を白く裁切って刎橋の架ったままのがあった。
— 泉鏡花 『註文帳』 青空文庫
人里を離れて行けば行くほど、次第に路は細く、落ち朽ちた木葉を踏分けて僅かに一条の足跡があるばかり。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
昨夜見かけた踏分け路らしいものにこだわっていたのだ。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
9 足にまつわる露の草を、踏分け踏分け陣十郎は歩いた。
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫
と同時に川島は、背後の方から森の中を踏分けて来る跫音を聞いて、思わず振り向いた。
— 蘭郁二郎 『植物人間』 青空文庫
まるで蛇を踏分けて行くようなものだ。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫