魘
魘
名詞
標準
文例 · 用例
人は夜の夢の中で、樹人や火人であつた頃の、先祖の古い記憶を再現し、いつも我等の生命を脅かして居たところの、妖怪變化の恐ろしい姿や、得體の解らぬ怪獸やの、魑魅魍魎の大群に取り圍まれて魘されてゐる。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
幼兒の夢 幼兒は絶えず夜泣きをし、何事かの夢に魘されておびえ泣いてる。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
夢に魘えて夜泣きをする幼兒の聲ほど、生命の或る神祕的な恐怖と戰慄とを、哀切に氣味わるく感じさせるものはない。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
夫人は夢に魘された時のように、厭やな重圧した気分を感じた。
— 萩原朔太郎 『ウォーソン夫人の黒猫』 青空文庫
私は何だかもうお妙さんが、ぺろぺろと嘗められる夢を見て、今夜にも寝ていて魘されそうで、お可哀相でなりません。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
…… ぶるぶる震うと、夫人はふいと衾を出て、胸を圧えて、熟と見据えた目に、閨の内をとしたようで、まだ覚めやらぬ夢に、菫咲く春の野をうごとく、裳も畳に漾ったが、ややあって、はじめてその怪い扱帯の我を纏えるに心着いたか、あ、と忍び音に、魘された、目の美しい蝶の顔は、俯向けに菫の中へ落ちた。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
勘当された息子じゃねえが、二階で寝ると魘されらあ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「それでも夢に見て魘されら。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫