往手
往手
名詞
標準
文例 · 用例
友は往手を指ざしていふやう。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
我等の往手は巖の間なる細徑にて、熔巖の塊の蹄に觸るゝもの多し。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
我等の往手に火の海の横れるありて、身幹數丈なる怪しき人影のその前にゆらめくを。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
往手のかたに稍を搖す手を急にしたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
フランスの兵は小人数なので、土佐の兵に往手を遮られて、大阪へ引き返した。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
突如往手に、白い高いものが闇黒に浮く。
— 牧逸馬 『運命のSOS』 青空文庫
「そんなに急いでどこへ行くのこれ、お前には心配もなにもなくていいね」 こう言って弥生が往手をふさぐと、蜘蛛はすこしためらったのち、すぐ右へ抜けようとする。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
ち・ち・ち・ち――と手のなかの土耳古銀を鳴らして往手に立ち塞がる両替屋の群、掴み掛るように乗用を促す馬車屋の一隊、それらを撃退して市街へ出ると、町角、店先、往来のいたるところに同じ船の連中が三々伍々している。
— 海のモザイク 『踊る地平線』 青空文庫