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焼残

しょうざん
名詞
1
標準
文例 · 用例
客人は、堂へ行かれて、柱板敷へひらひらと大きくさす月の影、海の果には入日の雲が焼残って、ちらちら真紅に、黄昏過ぎの渾沌とした、水も山も唯一面の大池の中に、その軒端洩る夕日の影と、消え残る夕焼の雲の片と、紅蓮白蓮の咲乱れたような眺望をなさったそうな。
泉鏡花 春昼 青空文庫
焼残った一軒も、そのままにしておいては物騒じゃに因って、上段の床の間へ御仏像でも据えたなら、構は大い。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
そのまま題にして、倶利伽羅山焼残寺が一院、北国名代の巡拝所―― と申す説もござりました。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
右側の二軒目で、鍵屋と申したのが焼残っておりますが。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
ちょうど、立場が荒廃れて、一軒家が焼残ったというのも奇蹟だからと、そこで貴婦人が買取って、少い女の世を避ける隠れ里にしたのだと言います。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
御坊は「今出しましょう」と断って、レールを二本前の方に継ぎ足しておいて、鉄の環に似たものを二つ棺台の端にかけたかと思うと、いきなりがらがらという音と共に、かの形を成さない一塊の焼残が四人の立っている鼻の下へ出て来た。
夏目漱石 彼岸過迄 青空文庫
傾斜に成った道の両側には、新規に建った家だの、焼残った家だのが、樹木の間に出たり引込んだりして並んでいた。
島崎藤村 家(下巻) 青空文庫
楽山堂病院の角あたりからは、浅草の観音堂の焼残つたのがそれと指さゝれて見えた。
田山録弥 地震の時 青空文庫