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小櫛

おぐし
名詞
1
標準
文例 · 用例
別れ路に添へし小櫛をかごとにてはるけき中と神やいさめし この御歌に源氏は心の痛くなるのを覚えた。
絵合 源氏物語 青空文庫
さしながら昔を今につたふれば玉の小櫛ぞ神さびにける これを御覧になった院は身にしむ思いをあそばされたはずである。
若菜(上) 源氏物語 青空文庫
縁起が悪くもないであろうと姫宮へお譲りになった髪の具は珍重すべきものであると思召されて、青春の日の御思い出にはお触れにならず、お悦びの意味だけをお返事にあそばされて、さしつぎに見るものにもが万代をつげの小櫛も神さぶるまで とお書きになった。
若菜(上) 源氏物語 青空文庫
同時に、それらの調子、様式は「お小夜」の黄楊の小櫛の古さがまだまだおもくきついなかから、重きが故に愈々その声の響きは遠く高くとあこがれる。
宮本百合子 婦人と文学 青空文庫
藤村の「お小夜」「つげの小櫛」の境地は、『みだれ髪』にうたわれた女の、身をうちかける積極性と、何とちがった抒情の世界であるだろう。
宮本百合子 婦人作家 青空文庫
私はすぐ石川の女郎の  志可の海人は布刈り塩焼き暇なみ櫛笥の小櫛取りも見なくに を思ひ出した。
平野萬里 晶子鑑賞 青空文庫
そして、それは女の櫛になります、黄楊の小櫛
一九四〇年(昭和十五年) 獄中への手紙 青空文庫
忍藻はとくに起きつろうに、まだ声をも出ださぬは」訝りながら床をはなれて忍藻の母は身繕いし、手早く口を漱いて顔をあらい、黄楊の小櫛でしばらく髪をくしけずり、それから部屋の隅にかかッている竹筒の中から生蝋を取り出して火に焙り、しきりにそれを髪の毛に塗りながら。
山田美妙 武蔵野 青空文庫