老男
ろうなん
名詞
標準
文例 · 用例
秒刻は銀波を砂漠に流し老男の耳朶は螢光をともす。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
それから犯人は先づカロリイナを難なく慘殺し、つづいて小間使のエツバを襲つたが、その必死の叫びも抵抗も非常に厚い壁のためにどこへも聞えず、さうして間もなく主人の老男爵が死の罠へ歩み込んで來たのに相違なかつた。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
これより先フレデリックはゼッテルベルグから多額の金を借りたが、期限が來ても返濟しないので、老人は老男爵に苦情を申し出た。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
そして、それと並んで横たはつたフレデリックの體を調べてみると、果然、その懷中に多額の金のはいつた老男爵の紙入が潜めてあつた。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
然し、二人はすぐにウプサラへ舞ひ戻つて以前に變らぬ逸樂の生活をつづけてゐたが、老男爵がまるで燒石に水のやうな金の流れをせき止めた時、二人は借金の味を覺え出したのだつた。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
夕暮になつて、瑠璃子の父の老男爵が馳け付けた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
私は、その頃まだ達者でゐた法隆寺の老男爵|北畠治房氏と一緒に連れ立つて、名高い法隆寺の夢殿のなかから外へ出てきました。
— 薄田泣菫 『中宮寺の春』 青空文庫
で、あっちこっちの露路口から、ここの空地へ逃げ込んで来る、無数の幼老男女によって、今まで一団体をつくっていた金兵衛と代官松と乾児との組も、その団体を崩されかかった。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫