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風勢

ふうせい
名詞
1
標準
文例 · 用例
「だが、今度の、マルクス文学|擡頭の気勢は前例のものより、かなり風勢が強いらしいですよ。
岡本かの子 鶴は病みき 青空文庫
房は、一吹き荒れる毎にどーっと塵埃を吹きつけ、ガタガタ鳴る露台の硝子の面を靄でもかかるように曇らして行く風勢を眺めていた。
宮本百合子 氷蔵の二階 青空文庫
糸をひく力はますます強くなる、それは一直線にのびて、少しも張ったりゆるんだりしない、これは上方の風勢がさかんで、たこが傾斜せず、頭をふらず、つねに平衡をたもっているからである、糸は最後のひとまき三百六十メートルがのびた、地面をぬくことまさに二百数十メートルの高さである、試験の成績はこれで十分である。
佐藤紅緑 少年連盟 青空文庫
絞車盤は逆転を開始した、このとき、風勢はしだいに吹き加わって、そのもうれつさははじめの比ではない、おまけに風位が変わって、たこは一左一右、絞車盤の回転は思うように運ばない、糸が一|張一|弛するたびに、みなはハッときもをひやした。
佐藤紅緑 少年連盟 青空文庫
錢は一度握つたら容易に離さぬ風勢で、喰はんか喰はんかと呼んでゐた。
長岡半太郎 大阪といふところ 青空文庫
コンスタアブルは湿気の状を描き得たれども暴風の狂猛を捉ふる事|能ず、然るに北斎にあつては風勢のいかに水を泡立たせ樹木を傾倒しまた人馬を驚かすかを知れり。
永井荷風 江戸芸術論 青空文庫
ここに放火を犯したものがあって、多くの家が焼け、わが家も風下で危いと思っていると、たちまち風勢一変、かろうじて災をまぬがれ、その者は喜びのあまり放火犯人の悪事を憎むことを忘れてしまったとする。
大鹿卓 渡良瀬川 青空文庫
そのころから風勢が強くなり、そのまま神田をひとなめにして日本橋まで焼け、一方は東に延びて、堀江町、小網町、葺屋町の両芝居から、馬喰町、浜町、そこで飛火をして深川の熊井町、相川町、八幡宮の一の鳥居を焼き、仲町辺まで一帯を灰にした。
山本周五郎 ちいさこべ 青空文庫