のの字
ののじ
表現名詞
標準
loop
文例 · 用例
時局あて込みの幕末ものの字幕のイデオロギーなどは実に冷や汗をかかせるものである。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
これは……九代の後胤平の、……と平家の豪傑が名乗れる如く、のの字二ツ附けたるは、売物に花の他ならず。
— 泉鏡花 『草あやめ』 青空文庫
そうでしょう、駄賃を稼ぐための職業婦人が聾の坊さんの杖つきのの字に附合っていられる筈はない。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
津の国屋――津国屋と書くのがほんとうだそうですが、暖簾にはやはり津の国屋と、のの字を入れてありました。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
○くだものの字義 くだもの、というのはくだすものという義で、くだすというのは腐ることである。
— 正岡子規 『くだもの』 青空文庫
つゆは汚れた白いまへだれをしてゐる男に、雜煮を二杯註文して、やがて運ばれて來た雜煮の中の、紅いのの字の模樣のついたかまぼこをおかづにして握り飯をひろげた。
— 林芙美子 『玄關の手帖』 青空文庫
のの字になったり、Sの字になったりしてさかんに運動します。
— 林芙美子 『お父さん』 青空文庫
女按摩は球江の躯ぢゆうに椰子油をぬるぬると塗りたくりながら、固い掌でゆるくのの字を書くやうなしぐさで、油で濡れてゐる背中を揉んでゐる。
— 林芙美子 『ボルネオ ダイヤ』 青空文庫