歯咬
は咬
名詞
標準
文例 · 用例
俺がこの病でてっきり死ぬものと決めて掛かって、もう勝手な真似を始めたのだなと歯咬みをしながら、叔孫は豎牛に命ずる。
— 中島敦 『牛人』 青空文庫
三郎は本堂の戸を睨んで歯咬みをした。
— 森鴎外 『山椒大夫』 青空文庫
「引く足があれば、わしも奥へはいるが」と、又七郎は苦々しげに言って歯咬みをした。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
今さら歯咬みをしても、地団太をふんでも、取り返しの付かないことになった。
— 仮面 『半七捕物帳』 青空文庫
とかつは驚き、かつは憤り、はたと睨めて動かざる眼には見る見る涙を湛へて、唯|一攫にもせまほしく肉の躍るを推怺へつつ、窃に歯咬をなしたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
歯咬を作して貫一は後を追ひぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
」 男は歯咬しつつ苦しげに嗤笑せり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
己はどうも為方がないから、心中では歯咬みをしながら、おとなしく話した。
— ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 『鰐』 青空文庫