置いて行く
おいていく
表現動詞-五段-行く
標準
to leave behind
文例 · 用例
目を細くしてよく見きわめをつけてから一筆ごとに新しく絵の具を交ぜては置いて行くのだそうである。
— 寺田寅彦 『自画像』 青空文庫
巴里と云う子の恋人の許へ置いて行くよりほかはあるまいものを。
— 岡本かの子 『オペラの辻』 青空文庫
すなわちこの五十銭を置いて行く。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
一人放り出して置いた處で、留守に山から猿が來て、沸湯の行水を使はせる憂慮は決してないのに、誰かついて居らねばと云ふ情から、家中野良へ出る處を、嫁を一人あとへ殘して、越中の藥賣が袋に入れて置いて行く、藥ながら、其の優しい手から飮ませるやうに計らつたのである。
— 泉鏡太郎 『一席話』 青空文庫
「うちへも集めに来なさるわ」 おかしいことに、半年に一度か二度珈琲を飲んで行くが、そのたび必ずこんな純喫茶だのに置かなくても良いチップを置いて行くのだと、お内儀はゆっくり笑った。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
猪野は今一年有余の体刑を被ても、襤褸を出さないだけの綿密な仕組の下に、生涯裕福に暮らせるだけの用意をしたのであり、体刑は覚悟の前であったはずだが、金を隠匿しない反証にもと、退かして芸者屋を出させ、抱えも二人までおいてやった女を、たとい二年たらずの刑期の間でも、置いて行くのは心残りであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
相手の男は、自分に漫画をかかせては、わずかなお金をもったい振って置いて行く三十歳前後の無学な小男の商人なのでした。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
だから、おれの身代りにも、むす子を置いて行く」 だが、こう筋立った逸作の言葉の内容も、実は、かの女やむす子と同じく巴里に憑かれた者の心情を含んでいた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
作例 · 標準
例句