匂いやか
においやか
形容動詞
標準
sweet-scented
文例 · 用例
春の寒い夕、電灯の燦たる光に対して、白く匂いやかなるこの花を見るたびに、K君の忰の魂のゆくえを思わずにはいられない。
— 岡本綺堂 『二階から』 青空文庫
それは二年前の陽春の三月ごろで、庸三の庭は、ちょうどこぶしの花の盛りで、陰鬱な書斎の縁先きが匂いやかな白い花の叢から照りかえす陽光に、春らしい明るさを齎せていた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
行きつけの美容院へ行って、すっかりお化粧をして来たものらしく、彼女の顔の白さが薄闇のなかに匂いやかに仄めいた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
ふくよかなお顔は、鼻|隆く、眉秀で夢見るようにまみを伏せて、右手は乳の辺に挙げ、脇の下に垂れた左手は、ふくよかな掌を見せて……ああ雲の上に朱の唇、匂いやかにほほ笑まれると見た……その俤。
— 折口信夫 『死者の書』 青空文庫
匂いやかな笑みを含んだ顔が、はじめて、まともに郎女に向けられた。
— 折口信夫 『死者の書』 青空文庫
始めは樹々の若芽が、黒々とした枝の上に緑の点を打って、遠く見ると匂いやかに煙って居るが、その細かい点が日ごとに大きくなって、やがて一|刷毛、黄の勝った一団の緑となるまで、日々微妙な変化を示しながら、色の深さを増して行くのは、朝晩眺め尽しても飽きない景色である。
— 岩本素白 『寺町』 青空文庫
作例 · 標準
部屋の隅に飾った百合の花が、匂いやかな香りを放っている。
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彼女が通り過ぎた後には、匂いやかな香水の残り香が漂った。
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春の風に乗って、梅の花の匂いやかな香りが窓から入ってきた。
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標準
lustrous, shiny and beautiful
作例 · 標準
手入れの行き届いた彼女の黒髪は、匂いやかな光沢を放っている。
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その漆器の表面は、ため息が出るほど匂いやかな輝きを湛えていた。
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彼女の肌は、二十代のような匂いやかな若々しさを保っている。
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