引きも切らず
ひきもきらず
副詞
標準
incessantly
文例 · 用例
主人は京都の浄雪の門から出た昔気質の職人肌、頑固の看板と人から笑はれてゐた丁髷を切りもやらぬ心掛が自然その技の上にあらはれて、豪放無類の作りが名を得て、関東関西の取引の元締たる久宝寺町の井筒屋、浪花橋の釘吉、松喜、金弥などと云ふ名高い問屋筋の信用も厚く、註文引きも切らずと云つた状態であつた。
— 幸田露伴 『名工出世譚』 青空文庫
それでもなほも引きも切らずに、大勢の人々が濱へ濱へと驅つた。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫
しかも、幕府は、将士を励まさんがために恩賞を約束してあつたのだから、戦後将士の恩賞を求むる者、引きも切らず、その訴訟は二十年間も続いたと云はれてゐる。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
夜に入りて旅館に帰り、ようよう一息入れんとせしに、来訪者引きも切らず、拠なく一々面会して来訪の厚意を謝するなど、その忙しさ目も廻らんばかりなり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
学海翁は硬軟兼備のその頃での大宗師であったから、門に伺候して著書の序文を請うものが引きも切らず、一々応接する遑あらざる面倒臭さに、ワシが序文を書いたからッて君の作は光りゃアしない、君の作が傑作ならワシの序文なぞはなくとも光ると、味も素気もなく突跳ねた。
— 内田魯庵 『露伴の出世咄』 青空文庫
何しろ、二人とない時の権力者の造営事業だといふので、広い領土の方々から名果名樹を献上して来るものが引きも切らず、なかにはその名前が世間に有り触れたのではおもしろくない。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
好奇な人間がわいわい詰め掛けて、一日中引きも切らず野次馬の河が屍体の前を流れた。
— 牧逸馬 『土から手が』 青空文庫
店頭には、雨の盛に降つてゐるにも拘らず、蛇目傘をさし、塗足駄を穿いた客が引きも切らず出入してゐる。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
作例 · 標準
デパートのセール会場は、朝から引きも切らず人々が詰めかけていた。
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観光地では、珍しいお土産を買い求める客が引きも切らず訪れる。
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彼女は舞台に立つたびに、観客からの拍手が引きも切らず鳴りやまなかった。
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