石瓦
いしがわら
名詞
標準
slate roof tile
文例 · 用例
なぜというのに、折角旧思想を取片付けてしまっても、その跡の、石瓦に覆われた地面の上には、新思想は芽ざして来ないかも知れませんから。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
荷も石瓦、古新聞、乃至、懐中は空っぽでも、一度目指した軒を潜って、座敷に足さえ踏掛くれば、銚子を倒し、椀を替え、比目魚だ、鯛だ、と贅を言って、按摩まで取って、ぐっすり寝て、いざ出発の勘定に、五銭の白銅|一個持たないでも、彼はびくとも為るのではなかった。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
屋根をはがれたトタン板と、屋根板が、がたん、ばり/\と、競を追つたり、入りみだれたり、ぐる/\と、踊り燥ぐと、石瓦こそ飛ばないが、狼藉とした罐詰のあき殼が、カラカランと、水鷄が鐵棒をひくやうに、雨戸もたゝけば、溝端を突駛る。
— 泉鏡太郎 『十六夜』 青空文庫
從つて古石場の石瓦、石炭屑などは論じない。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
又ある時、彼は吉莫靴をはいて、石瓦の城に駈けあがった。
— 白猿伝・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫
石瓦の散らばっている間に、げんげや菫の花が咲いている。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
されば身のたけも抜群なに、性得の剛力であつたに由つて、伴天連が「ぜんちよ」ばらの石瓦にうたるるを、防いで進ぜた事も、一度二度の沙汰ではごさない。
— 芥川龍之介 『奉教人の死』 青空文庫
何故お前の弾いた糸の音が丁度|石瓦の中に埋められていた花のように、意識の底に隠れている心の世界を掻き乱してくれたのか。
— ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 『痴人と死と』 青空文庫
作例 · 標準
古い家屋の屋根を葺き替える際、伝統的な雰囲気を保つために「石瓦」を選ぶ職人もいる。
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寺院の屋根には、その重厚感と耐久性から「石瓦」が長年使用されてきた。
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近年では、メンテナンスの容易さから金属屋根材が主流だが、「石瓦」の独特の風合いを好む愛好家も多い。
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地震の多い地域では、瓦の落下が懸念されるが、「石瓦」は比較的重量があるため、固定方法によっては安定性が高い。
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