蟆
蟆
名詞
標準
文例 · 用例
灯無しで、どす暗い壁に附着いた件の形は、蝦蟆の口から吹出す靄が、むらむらとそこで蹲踞ったようで、居合わす人数の姿より、羽織の方が人らしい。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
大な蝦蟆とでもあろう事か、革鞄の吐出した第一幕が、旅行案内ばかりでは桟敷で飲むような気はしない、が蓋しそれは僭上の沙汰で。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
この錠前だと言うのを一見に及ぶと、片隅に立掛けた奴だが、大蝦蟆の干物とも、河馬の木乃伊とも譬えようのねえ、皺びて突張って、兀斑の、大古物の大かい革鞄で。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
「ほんとうに、あなた、蟆子のたかりましたほどのあともございませんから、御安心遊ばせ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
夏のはじめに、よく蝦蟆賣りの聲を聞く。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
蝦蟆や、蝦蟆い、と呼ぶ。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
又此の蝦蟆賣りに限りて、十二三、四五|位なのが、きまつて二人連れにて歩くなり。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
よつて怪しからぬ二人連れを、畜生、蝦蟆賣め、と言ふ。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫