輪飾り
わかざり
名詞
標準
文例 · 用例
ある家庭で歳末に令嬢二人母君から輪飾りに裏白とゆずり葉と御幣を結び付ける仕事を命ぜられて珍しく神妙にめったにはしない「うちの用」をしていた。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(1)』 青空文庫
このチキンライスの話と輪飾りの話には現代思潮の反映がある。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(1)』 青空文庫
奥は奥で、神棚の燈明がハタハタ風に揺めいて、小さい輪飾りの根松の緑に、もう新しい年の影が見えた。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
どの町を歩いても、軒ごとに門松や輪飾りが綺麗に出来|揚って、新しい春がもう来たようであった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
門松や輪飾りはめんどうくさいから止めにして、裏山から歯朶を五六本折ってきて瓶に挿した。
— 種田山頭火 『雑記』 青空文庫
一方に、低い束髪にしてから、元禄髷に似た縦長い髪毛の束を三寸ばかり上に突上げたのが居るかと思うと、洗い髪同様の髪を玄冶店のお富式にうしろに投げ卸して、その先を三つ組にして輪飾りの七五三のようにしているのがある。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
そしてまた 死の輪飾りを薔薇のつぼみのやうなお前のやはらかい肩へおくるだらう。
— 大手拓次 『藍色の蟇』 青空文庫
表門のくぐり戸を開けて、田辺とした表札の横に、海老、橙、裏白、ゆずり葉などで飾った大きな輪飾りの見える門の前を先ず掃き清めた。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫