掻き揚げ
かきあげ
名詞
標準
文例 · 用例
」 庸三は言うと、葉子は額にかかる髪を掻き揚げながら、「御免なさい、こんな風して。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
」 女は鬢の紊れ毛を掻き揚げながら振り顧った。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
だが、もうそんなことを言ってもらって嬉しがるような年でもないから大丈夫自惚れやしないからたんとお言い」とお光はちっとも動ぜず、洗い髪のハラハラ零れるのを掻き揚げながら、「お上さんと言や、金さん、今日私の来たのはね」「来たのは?
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫
次に、唐黍の掻き揚げが盆にでた。
— 佐藤垢石 『姫柚子の讃』 青空文庫
――」 母の方へは行かずに、四|畳半のおのが居間へ這入ったおせんは、直ぐさま鏡の蓋を外して、薄暮の中にじっとそのまま見入ったが、二|筋三|筋襟に乱れた鬢の毛を、手早く掻き揚げてしまうと、今度はあらためて、あたりをぐるりと見廻した。
— 邦枝完二 『おせん』 青空文庫
先日のと違ふオヤヂで、大きなカキアゲを造るのが嬉しかった。
— 昭和十五年 『古川ロッパ昭和日記』 青空文庫
すこし癖はあるが長めにした光沢の好い頭髪を関わず掻揚げているような男の教師の前へも行って立った。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
唇へ差した余りの紅を耳たぶや眼の間へ差して、髪を掻揚げてしまい、着物を着替えたりするとボーンと夜の亥刻になります。
— 三遊亭圓朝 『霧陰伊香保湯煙』 青空文庫