弟宮
おとうとみや
名詞
標準
文例 · 用例
翌年は明和五年で伊織の弟宮重はまだ七五郎と云っていたが、主家のその時の当主松平|石見守乗穏が大番頭になったので、自分も同時に大番組に入った。
— 森鴎外 『じいさんばあさん』 青空文庫
翌年は明和五年で伊織の弟宮重はまだ七五郎と言つてゐたが、主家の其時の當主松平石見守|乘穩が大番頭になつたので、自分も同時に大番組に入つた。
— 森鴎外 『ぢいさんばあさん』 青空文庫
私が十八歳の春上京して暫く厄介になつてゐましたのは、牛込宮比町の聞鷄書院といつた漢學の私塾で、塾の先生は山田方谷の門弟宮内鹿川といつた王學の老先生でした。
— 薄田泣菫 『詩集の後に』 青空文庫
兄と弟宮本百合子 魯迅伝から 小田嶽夫氏の「魯迅伝」を少しずつ読んでいる。
— 宮本百合子 『兄と弟』 青空文庫
この弟宮も、しごく閑な性ではあったが、父皇の遠謀によるおいいつけと、また兄宮大塔の下にもよくその命に従って、「墨のころもは、仮の衣」 と、ご観念のていだった。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
しかし一面、この弟宮の優雅な天性は、なお自己の本心まではあざむき切れぬようで、「……あわれ、やがて世もしずまらば、仮の姿は捨て、墨染の本身に帰り、まことの一|沙弥になり申さん。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
おなじ美丈夫ながら、兄宮は六尺ゆたかな体躯で、叱咤は山谷に木魂する概を持っていたが、この弟宮のほうは、蒲柳であった。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
――いうならば、弟宮は母似、兄の大塔ノ宮は、父似ともいえようか。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫