缶から
かんから
名詞
標準
文例 · 用例
ごく柔らかな、穏やかな、さやさやと薬缶から湯気が噴き出すような、かすかな音。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
妻が茶棚のブリキ缶から塩煎餅を取出し、饅頭の菓子器を出して、皆なの前においた。
— 徳田秋聲 『余震の一夜』 青空文庫
喜田氏が慌てて蓋を閉めちがへた空缶からは、煙が白く這ひ出してゐたのだ。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
前に長火鉢あり、薬缶から湯気が立っている。
— 菊池寛 『父帰る』 青空文庫
それとね、甘いおつゆがね、やはり缶から湯気のようにあがってきて、そこら中をふらふら漂うんだよ。
— 海野十三 『火星探険』 青空文庫
コップの食塩水が少しでも減ると、すぐに缶からなみなみと注いだ。
— 豊島与志雄 『反抗』 青空文庫
(ブリキの缶から、塩せんべいを出し、二つほど、おしまさんの膝の上にのせる)おしまさん かまはないで頂戴。
— 岸田國士 『留守(一幕)』 青空文庫
目の前の缶から手さぐりに煙草を一本抜いたが、指にはさんだまま、その手で頬杖をついた。
— 神西清 『灰色の眼の女』 青空文庫