見るい
みるい
動詞
標準
文例 · 用例
氏の息のまれに見るいたずらっ子が、悪たれたり、あばれたりすればする程、氏は愛情の三昧に這入ります。
— ――親の前で祈祷 『岡本一平論』 青空文庫
あらず、あらず、ただ見るいつもいつも、物いわぬ、笑わざる、歌わざる漢子の、農夫とも漁人とも見分けがたきが淋しげに櫓あやつるのみ。
— 国木田独歩 『たき火』 青空文庫
江崎とみ、と女名前、何でも持って来いという意気|造だけれども、この門札は、さる類の者の看板ではない、とみというのは方違いの北の廓、京町とやらのさる楼に、博多の男帯を後から廻して、前で挟んで、ちょこなんと坐って抜衣紋で、客の懐中を上目で見るいわゆる新造なるもので。
— 泉鏡花 『葛飾砂子』 青空文庫
帝が、世の常の紅葉とや見るいにしへのためしにひける庭の錦を と朱雀院へ御説明的に申された。
— 藤のうら葉 『源氏物語』 青空文庫
然し、時々刻々自分を救ふに急であつて、僅かに刹那の救濟をのみ脱しないように努むべきものが、何で他を返り見るいとまがあらう。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
そんなことはとても私たちには出来ませんわ」雪の降る日はべにす※め紅い木の実がたべたさにそつと出て見るいぢらしさ。
— 動物園にて 『コドモノスケッチ帖』 青空文庫
なぜかと言えば地球の反対側からの光が、そうして我々の目に達するまでに経過する道程は、我々の見るいかなる恒星の距離よりも遠いからである。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
私は以上の如く解釈することによつて、今も尚ほ、この詩は稀に見るいい絶句だと思つてゐる。
— 河上肇 『閑人詩話』 青空文庫