湖尻
こじり
名詞
標準
文例 · 用例
氷切りの人足の泊まるという湖尻のいぶせき宿に、ようやく先生を尋ね当てました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
中禪寺へ着いたなと思ふ間もなく、華嚴の瀧の上流である湖尻の川にかゝつてゐる橋を渡ると、周圍七里の一大湖は眼前に開けたが、霧が來去するので何程の濶さがあるか朦朧として、たゞ人の想像に任せるものとして見えたのも却つて興があつた。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
前日、湖尻や元箱根で食物にありついているし、その日もどこかで代用食ぐらいはありつけるだろうと、相変らずのんびりした料簡で、子供の手を引き、箱根街道を登って行った。
— 田中英光 『箱根の山』 青空文庫
箱根遊船会社が拓いたという専用道路をのぼって行くと、一路平坦、殊に先刻から懸念していた山霧は次第に晴れて、陰暦五日の月があらわれたので、まず安心とよろこんでいると、湖尻に着いた頃から燈籠の光がちらちら見えはじめた。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
湖口は東丘村が湖に臨むところを云う)から、右足湖を越えて、庄内村(右足湖の西の地を云う、空気工場はそれの湖水に臨む湖尻にある)へ入ろうとしたが途中、東丘村で日が暮れ、湖水にはまだ遠かったこと。
— 海野十三 『人間灰』 青空文庫
それからは岸とすれすれに湖尻まで漕ぎつけたこと。
— 海野十三 『人間灰』 青空文庫
(五)湖尻に上ったのが十時半ごろだった。
— 海野十三 『人間灰』 青空文庫
「第二の、湖尻で村尾某の乗りました舟を探しましたが見当りませんので」「舟が見当らぬ?
— 海野十三 『人間灰』 青空文庫