浴舎
よくしゃ
名詞
標準
rustic bathhouse (esp. at onsen)
文例 · 用例
大きな浴舎は三階建で、若い上さんを始め、番頭達が皆なそろつて丁寧にかれ等を迎へた。
— 田山録弥 『浴室』 青空文庫
それに、あそこの温泉の位置は芭蕉の行つた時とは丸で違つてゐて、その時分には、あの殺生石から此方へと下りて来る渓流の岸に浴舎が並んでゐたらしいが、何でもひどい洪水があつて、それでそこにゐられなくなつて、今の位置に移つたらしい。
— 田山録弥 『行つて見たいところ』 青空文庫
あそこらはいかにも名所図会の挿画にでもありさうな風景で、渓は渓を孕み、谷は谷に連り、浴舎は浴舎に接するといふ風であつた。
— 田山録弥 『女の温泉』 青空文庫
昔はこの温泉場は向うにはなくて、このあたりに狭くるしく浴舎が何軒も建てられてあつたさうであるが、なるほどさうきけばそれと思はれないこともなかつた。
— 田山録弥 『父親』 青空文庫
Kは栄輔君に誘はれて、その浴舎――浴舎と言つてもさう大して大きいものではないが、兎に角其処に一時は村の人々が集つていろ/\義太夫なんか声張り上げて唄つたであらうと想像される家が、すつかり荒廃して、浴槽の中には、赤銅色をした水が一杯にさびしく湛えられてゐるのをKは目にした。
— 田山録弥 『田舎からの手紙』 青空文庫
祖母谷温泉にも元は浴舎があったが、或年洪水に押倒されてから其|儘になってしまった。
— 木暮理太郎 『黒部峡谷』 青空文庫
浴舎のあった頃は相当に繁昌したものであるが、今では登山者が附近に野営した折に入浴する位のものであろう。
— 木暮理太郎 『黒部峡谷』 青空文庫
無人の温泉はなおこの外に、小黒部の下流にも一つあって、これも元は浴舎が建ち、客を呼んだものだが、やはりある年、出水のため荒らされて、その後は湧出口も変ってしまったそうな。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫
作例 · 標準
古びた温泉宿には、趣のある浴舎があった。
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山小屋の近くに、簡単な浴舎が設けられていた。
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子供の頃、祖父母の家には、夏になると使う小さな浴舎があった。
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