押領
おうりょう
名詞
標準
文例 · 用例
右の原因は、南部氏が津軽家を以て祖先の敵であり旧領を押領せるものと見做す事、及び津軽家はもと南部の一族であり、被官の地位にあつたのに其主に背いたと称し、また一方、津軽家にては、わが遠祖は藤原氏であり、中世に於いても近衛家の血統の加はれるものである、と主張する事等から起つて居るらしい。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
のみならず、其のまことの下心は、御事済みの後、御家老の御威光をもちて、呉家の物なりを家倉ともに押領せられむ結構とこそ承り候へ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
すでにこれを乱だりてこれを押領したるうえは、また、聖人の道をもってこれを守るべし。
— 福沢諭吉 『徳育如何』 青空文庫
その財産を押領なすべきたくみなれば。
— 三宅花圃 『藪の鶯』 青空文庫
一人で五人分の席を押領する……人人がこんなに込合つて息も出来ないほど困つてゐる中で……あゝ一体、人間相互の生活はかう云ふ風でよいものか知ら……私は眉を顰めながら、反動時代の醜さと怖ろしさを思ひ我々プロレタリアの階級によい指導者の要ることを思つてみた。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
先に述べた大山守皇子の、山部の土地人民を押領することが出来なかつた唯一の理由は、山部・山守の別を知らしめた山部の詞章の存在した事による。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫
父は久米の押領使、漆の時国、母は秦氏である。
— 中里介山 『法然行伝』 青空文庫
そしてこの国の久米の押領使神戸の大夫漆の元国の娘と結婚して男の子を生ませた。
— 中里介山 『法然行伝』 青空文庫