捨台
捨台
名詞
標準
文例 · 用例
すると先生やるなら勝手にやり給え、君もも少しすると悟るだろう、要するに理想は空想だ、痴人の夢だ、なんて捨台辞を吐いて直ぐ去って了った。
— 国木田独歩 『牛肉と馬鈴薯』 青空文庫
蓋し当時、夫婦を呪詛するという捨台辞を残して、我言かくのごとく違わじと、杖をもって土を打つこと三たびにして、薄月の十日の宵の、十二社の池の周囲を弓なりに、飛ぶかとばかり走り去った、予言者の鼻の行方がいまだに分らないからのことである。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
スピードが生命の映画では、欠くことの出来ない捨台詞は別として出来る限り無駄台詞をつつしまねばならぬことは誰も知っていることであろうが、そのくせなかなかむづかしいのだ。
— 山中貞雄 『気まま者の日記』 青空文庫
」これを捨台辞にして去らんとするを、綾子は押止め、「御待ちなさい。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
殴られた男を左右から扶け起し、捨台詞一つ残さずにこそこそと立去った。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
どうも有難う』と、礼をいうのか、忌がらせをいうのか、こんな捨台詞を残して立去った。
— 岡本綺堂 『虎』 青空文庫
(李は狂うように立ちかかるを、三人は捨台詞にておさえる。
— 岡本綺堂 『青蛙神』 青空文庫
」 夫人は、車窓から、その繊細な上半身を現しながら、見送つてゐる人達に、さうした捨台辞を投げた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫