薫習
くんじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
しろがね色の花蕚に、一※のかをり焚きくゆる蘂は、ひねもす薫習の沼の氣に染みてたゆたひぬ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
しろがね色の花萼に、一※のかをり焚きくゆる蘂は、ひめもす薫習の沼の氣に染みてたゆたひぬ。
— 薄田淳介 『白羊宮』 青空文庫
つまり彼の母親がその習慣の中に生きたところの色情の世界の薫習が彼に伝わっているらしかった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
真如の中に無明があって、真如を動かすものといたしますと、もはや真如ではございません、もしまた真如の外に無明が存在していて、真如を薫習いたすものならば、万法は真如と無明の合成でございまして、仏性一如とは申されませぬ。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
この風を起信論では薫習と申しているようでございますが、薫習の源が、また真如無明一如の外になければならぬ理窟となるのをなんと致しましょう。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「で、つまり、わたくしが聞き覚えましたところの起信論の要領というものがだいたい左様なものでございまして、真如が無明によって薫習せられて、この一切世間相を生じてまいります。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ここに薫習という言葉は梨耶とは別に、また起信論の中の一つの言葉でございますから、これを究めるもまた容易ならぬ論議を生じて参るのでございましょう。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
およそ人の身心の関係は、一にして一ならず、二にして二ならず、いわゆる不一不二の関係を有するものなれば、その一生の間、日夜になすところの一挙一動は肉体上および感覚上に関するも、みなその精神に薫習して習慣性を構成し、反復数回にわたれば、ついに一種の固有性となるべし。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
ウィキペディア
熏習 とは、身口に現れる善悪の行法もしくは意に現れる善悪の思想が、起こるに随ってその気分を真如あるいは阿頼耶識に留めること。俗にいう「移り香」、香りが衣に染み付いて残存するようなことを言う。
出典: 薫習 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0