匂わす
におわす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to give off (a smell, scent, aroma)
文例 · 用例
槙三のいるため眼に見えぬ家庭内の気苦労を、露には云い得ず、暗に匂わす彼女の苦しさの歪みかと解することも出来れば、また一方どこかで、自分に衝って来ている角の鋭さも感じられ、矢代は返答に窮して黙っていた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
きみのいっていることはチンプンカンプンで、意味がわかりゃしない」「いや、そうとでもいわなければ、その怪事実のあやしさ加減をすこしでも匂わすことができないのです。
— 海野十三 『金属人間』 青空文庫
あるときは熱帯の奇蘭を見よがしに匂わする温室にある。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
ぼくとの関係で阿久津へ出入りするようになったころは斜陽族もそう物を云わない時世になっていましたから、そこは心得たもので、たまに匂わす程度にしか斜陽族ぶりません。
— 坂口安吾 『裏切り』 青空文庫
全部は掴めなくとも、野草の子供と名乗れば、若干匂わすだけで先方はふるえあがって千両包むはず。
— その五 万引家族 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
袿を着けた妻は、几帳の陰で長い黒髪を解いて匂わすであろうし、筒井にそういう高い生活をあたえれば直ぐにも美しくなる、彼のそんな考えは妻を可憐とも美しいとも、いいようのないものに思わせた。
— 室生犀星 『津の国人』 青空文庫
現在ですら、そういったテンポを余りにもはっきりと匂わす低く悍ましい震動を感じ取ることができるのに。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『魔女の家で見た夢』 青空文庫
町の男女のあいだにはもう薄暑が蒸れ合い、白檀の唐扇を匂わす垂衣の女もあった。
— 千早帖 『私本太平記』 青空文庫
作例 · 標準
焚き火の煙が服に染み込み、歩くたびに焦げたような臭いを匂わす。
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加湿器にアロマオイルを数滴垂らして、部屋中にリラックス効果のある香りを匂わす。
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料理人が鍋の蓋を開けると、スパイスの効いた食欲をそそる香りが辺りに匂わされた。
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標準
to hint at
作例 · 標準
彼は引退を匂わすような発言を繰り返しているが、真意は定かではない。
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政府高官のコメントは、増税の可能性を暗に匂わすものだった。
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彼女は新しい恋人の存在を匂わすだけで、具体的な名前は決して口にしない。
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