鑢
やすり異読 ヤスリ
名詞
標準
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文例 · 用例
*鑢の音よ、だみ声よ、老い疲れたる胃袋よ、雨の中にはとほく聞け、やさしいやさしい唇を。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
――あとでお澄の片頬に、畳の目が鑢のようについた。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
曇日の色なき街は清水さす石油の噎、轢かれ泣く停車場の鈴、溝の毒、昼の三味、鑢磨る歌、茴香酒の青み泡だつ火の叫、絶えず眩めく白楊、遂に疲れてマンドリン奏でわづらふ風の群、あなあはれ、そのかげに乞食ゆきかふ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
牢獄めく工場の奥ゆ印刷の響たまたま薄鉄葉切る鋏の音と、柩うつ槌と、鑢と、懶うげにまじりきこえぬ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
』聴け、今叫ぶ髑髏、急瀬の小石、一斉に驚破と慄くひたおもてかとこそ噛めば竜骨は血の香滴る鋸を鑢の刃もて磨る如く、白歯をきしと一文字に、傷きながら逃れさる。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
と、はっきりと大きくは唸ったものの、すぐとその後から、ゴウゴウゴウと何処かの無電がしっきりなく邪魔をしかけて、それからの義太夫も太棹も聴いてる方で頭を鑢でこすられるようで苦しかった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
独博奕の雁木鑢という奴で行き戻り引っかかるのがこの市場商売の正体で、それでもノホホンで通って行くところが沽券と申しますか、顔と申しますか。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
」 べつだんに詰責するらしい様子もなく、吉本は微笑を含みながら言うのであったが、永峯にはなにかしら鑢にかけられるようなものが身内を走る感じだった。
— 佐左木俊郎 『街頭の偽映鏡』 青空文庫
作例 · 標準
金属の鋭い角を滑らかにするために、粗目の鑢で慎重に削っていく。
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模型のパーツを接着する前に、鑢を使って表面の凹凸を平らに整えた。
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錆びついた古い包丁の刃を、鑢で丁寧に研ぎ直して再生させた。
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