時雨れる
しぐれる
動詞-一段動詞-自動詞
標準
to rain on and off
文例 · 用例
少し空が曇り、北風でも吹くと、元気な文鳥以外のものは、皆声も立てず、止り木の上にじっとかたまって、時雨れる障子のかげを見ているのである。
— 宮本百合子 『小鳥』 青空文庫
節子は弟の一郎を連れて、急に時雨れるかと思うと復た晴れて行くような日に高輪へ訪ねて来た。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
霧のやうな小雨がじめ/\と時雨れると、何處からともなく蛙のコロ/\と咽喉を鳴らす聲が聞えて來ると、忽然、圭一郎の眼には、都會の一隅のこの崖下の一帶が山間に折り重つた故郷の山村の周圍の青緑にとりかこまれた、賑かな蛙鳴きの群がる蒼い水田と變じるのであつた。
— 嘉村礒多 『崖の下』 青空文庫
見通しも利かないほど濶い原野の夕暮れは、ひととき赫ッと輝いて、あとはたちまち時雨れるようなうす墨であった。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
一しきり赤々と朝焼けた空は、又昨日のやうに時雨れるかと、大阪|商人の寝起の眼を、遠い瓦屋根の向うに誘つたが、幸葉をふるつた柳の梢を、煙らせる程の雨もなく、やがて曇りながらもうす明い、もの静な冬の昼になつた。
— 芥川龍之介 『枯野抄』 青空文庫
半月も過ぎて秋も深まり、百舌鳥の鋭い啼き声が庭園を横切るかと思えば、裏の山の実を啄いばむ渡り鳥が群れ啼いて空を渡り、時雨れる日が多かった。
— 富田常雄 『面』 青空文庫
柿もたわわに村一番の物持の屋敷で・灯影が水に、落葉する樹もありて・バスト汽車と寒い灯が灯が走りくる・ふけて戻ればたどんがひそかに燃えてゐた 湯田一句追加・山山もみづりそのなかよい湯のわくところ・しぐれてはそこらで山羊のなく変電所 十一月八日晴曇さだめなくしぐれる、いはゆる秋の空だ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
□餅といふものは―― 十二月廿二日 曇、をり/\しぐれる、ぬくすぎる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
作例 · 標準
峠の頂上に差しかかった頃、急に空が暗くなって時雨れてきたので、足早に下山を始めた。
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「この時期の日本海側は、晴れていたと思ってもすぐに時雨れるから、天気が読めないよ」
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降ったり止んだりとしばしば時雨れる冬の午後、彼女は窓の外をぼんやりと眺めていた。
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