艙蓋
艙蓋
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標準
文例 · 用例
あの燃え上がるような歓喜は、艙蓋が開かれると同時に、跡方もなく砕け散ってしまいました。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
それは水上|噸数約四百噸ばかりの沿岸艇で、橙色に染め変えられた美しい船体は、なにか彩色でもした烏賊の甲のように見えたが、潜望鏡と司令塔以外のものはいっさい取り払われて、船首に近い三|吋大仰角速射砲の跡には、小さな艙蓋が一つ作られていた。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
司令塔の艙蓋から鉄梯子を下りると、そこには、クルップ式の潜望鏡と潜水操舵器があって、右手が機関室、左手は二つの区画に分れていて、手前のは、以前士官室だった底を硝子張りにした観覧室、またその奥は前の発射管室で、そこに艇長の遺品が並べられてあった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
ウルリーケとともに艙蓋を下りるまでにはだいたいの聴取は終っていたが、何より海底という、あり得べくもない自然の舞台と謎の味が、彼をまったく困惑させてしまった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
艙蓋の上には、すでに黄昏近い沈んだ光が漂っていて、時刻は五時を過ぎていた。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
「艇長の屍体を発見したのが、ちょうど夜半の二時でしたが、それから四人は、艙蓋の下で眠るともなく横になっておりました。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
艙蓋の下の室から機関室に行き、それから以前八住が殺された客室に入って行ったが、そうしているのは、ちょうど知られない世界に入ってでもゆくかのようで、妙に気味悪げな不安にかられてくるのだった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
いっこうに艙蓋の音を聴かなかったにもかかわらず、いつのまに鍵が下ろされたものか、その扉は、押せども引けども開かないのである。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫