獣虫
けものむし
名詞
標準
文例 · 用例
熱帯地方の山川草木禽獣虫魚は皆赤いもののような気がして仕方が無い。
— 寺田寅彦 『赤』 青空文庫
草木以上のもの即ち禽獣虫魚の類に就いて観察しても、明らかに一日の気の張弛によって、これ等の生物が種々の力、種々の相を以って、種々の作業をして、種々の報果を取ることが観られる。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
悪魔の尿溜に、よしんば金鉱が隠されてあろうとダイヤモンドが転がっていようと、あるいは珍奇獣虫がいようと原人がいようとも、この永劫霽れようとも思われない毒の羽虫の雲を除くには、恐らくガスマスクをつけ防虫完備の工兵が、優に一師団をもってしても数年はかかろうかと思われます。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
つまり、今まで、禽獣虫魚を友としていたと同じ心で、日月星辰を友とする気になってしまいました。
— 勿来の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
鳥獣虫魚何でも興味の無いものはないが、造型的意味から見て彫刻に適するものと適さないものとがある。
— 高村光太郎 『蝉の美と造型』 青空文庫
そこには先住民たる貝塚人種の居住もなく、全てに於て山間に居住地を定める方が他部落とのマサツや獣虫天災の被害が少なかったのであろう。
— 高麗神社の祭の笛――武蔵野の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
太陽の熱という生物の根元、地球の回転によって生ずる春夏秋冬、雷霆風雪、禽獣虫魚、草木|花卉、凡てこれらの広大なる現象に詩を見出すことは我が俳句の使命であります。
— 高浜虚子 『俳句への道』 青空文庫
この山川雲霧、禽獣虫魚、草木花卉という横糸、春夏秋冬という縦糸、即ちこの経緯の織りなす天地を描き、その天地に情を寄する心が我が俳句への道であります。
— 高浜虚子 『俳句への道』 青空文庫